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SATOWAのブログ

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帽子は人生を豊かにしてくれる

今日は、メガネと帽子のあれこれではなくて、少し私の昔話と手記のご紹介を。

今はメガネと帽子のスタイリストをしていますが、このキャリアの始まりは実は帽子作家だったんです。
自分で帽子のデザインをしてパターンにおこして制作して、さらに販売をするということをやっていました。

帽子作家として活動を始めた頃は、今のように手軽にネット販売という時代ではなく、そして子供も小さかったので、本当に小さくこじんまりと、年2回の帽子作家の展示会に出展するのが精いっぱい。

そんな頃に知り合い、帽子をオーダーしてくださった方が、帽子を大切に使い、帽子に想いを乗せていたことを手記にして送ってくださいました。

その帽子は「彼女のアリバイ」という名をつけたフェルトの帽子。

(当時、自分で作った帽子に映画のタイトルを名前としてつけていました)

帽子の名前は深く考えて付けていたわけではないけども、手記を読んで、思いもかげずこの帽子を愛用してくださっていた方が、この名にふさわしい事件(!?)を起こしていたことに少しびっくり。

そして、私が作った帽子がこんなにも人生に寄り添っていたのかということを知り、心がいっぱいになりました。
帽子って、こんなにも人生を豊かにしてくれるんだ、と改めて感じています。

手記を送ってくださったのは、エディターの北川直実さん。
「ぜひご紹介ください」と快くご了承をいただきましたので、手記をご紹介させていただきますね。

*****

【彼女のアリバイ】

いつ頃から帽子が母のトレードマークになったのかは覚えていないが、
そのきっかけになったのは里和さんの帽子との出会いであったことを、
はっきりと記憶している。

帽子作家さんの展示会「マルシェ・ド・シャポー」を母と一緒に訪れたとき、
一目惚れしたのが、SATOWA作の世界にひとつの帽子「彼女のアリバイ」だった。
2012年晩秋のことである。
映画のタイトルから付けられたという名前も洒落ているのだが、
グレージュ色のその帽子は、
クラウン(頭の部分)に放射状に広がる美しい曲線が描かれていて、
その扇の要に丸く結われたフェルトのひもが薔薇の花のように見え、うっとりした。
母にそれを被せると、貴婦人のように引き立ててくれるのだ。
即断即決、姉妹を誘い娘三人から母への誕生日プレゼントとした。

それから母はどこへでも、この帽子を被って出かけた。
初対面の人からも帽子がきっかけで話しかけられたり、
「おしゃれですね」と褒めていただいた。
母はそんなとき、とてもいい笑顔を見せた。

世界にひとつの帽子と前述したが、正確には世界にふたつである。
じつは、一代目は認知症だった母がどこかに置いてきてしまったのだ。
ひとりで歴史の勉強会に行った母は、なくしたことを気にかけるふうでもなかったが、
会場での「アリバイ」はあるのにいくら探しても見つからず、落ち込んだのは私だった。
あんなに似合っていたのに・・・と思うと諦めきれず、
事情を話し、もう一度作っていただけませんかと思い切ってお願いする。
里和さんは快く引き受けてくださり、数カ月後にうりふたつの2代目が届いた。
母は新しくなったことに気づいていなかったが、その帽子が“生涯の伴”となった。

ある日曜日の夕方、知らない間にひとりで家を出てしまい、
バス通りで転倒していた母は、救急車で病院に運ばれた。
頭を保護する一方で、行方不明にならずに本人であることを確認できたのは、
「彼女のアリバイ」のおかげだった。
私たち家族はそのとき、どれだけ胸をなでおろしたことか・・・。
禁じ手にしていたのだが、帽子の内側には連絡先・氏名をマジックペンで記すことにした。

昨年暮れ、12年の介護の末に母を見送った。享年91歳だった。
葬儀の折には、家族一人ひとりが母へのメッセージを「彼女のアリバイ」に綴り、
お棺に入れてあげた。
28年ぶりに天国で再会する父が、帽子の似合う貴婦人にふり向きますようにと。

母の晩年に彩を添え、最期まで見守ってくれた「彼女のアリバイ」を
もう見ることはできないが、人生最高の帽子との一期一会を忘れることはないだろう。


                                 
(エディター・北川直実)

*****

本当に心のこもった手記をありがとうございます✨

手記を送ってくださったエディターの北川直実さんのお母様の晩年を共に過ごすことができて、きっと帽子も喜んでいるはず。
49日を過ぎて北川さんからご連絡をいただき、お母様の晩年と帽子についてお話を伺ったときは、私も心が震えるほど嬉しかったです。

専業主婦→帽子作家→帽子スタイリスト→メガネと帽子のスタイリスト&プロ向け講座の講師…と、ご要望にお応えするためや家族の都合に合わせてキャリアも自然と変化してきました。

その節目節目にありがたいご縁があったからこそなのですが、今回手記を読んで「帽子づくりが始まりだったんだなぁ」と改めて感じました。

家の片隅でちんまりと帽子を作っていたのが、今は同じ帽子と関わりながらも全然違うことをやっているけど、あの頃のこと思うと随分と遠く広い世界に連れてきてくれたもんだ、と思います。

何度も書きますが、帽子って人生を豊かにしてくれるんだなぁ、と心に沁み入ります✨

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