エコレザーとフェイクレザーとリアルレザー
少し前に、偶然見つけたリアルレザーのベレー帽。
やっぱり、リアルレザーって風合いがいいなぁ、と思わず購入。
気が付いたら、リアルレザーって全然見なくなり、俄然多いのがエコレザーなるもの。
最近は、リアルレザーに劣らない風合いのエコレザーもよく見かけますよね。 色々と開発もされてるようです。
それに、“エコ”ってついていて、なんかキャッチー。
環境に良い印象もありかなり浸透して、リアルレザーを見つける方が難しいほど。
そこで、はたと思ったのが、エコレザーとフェイクレザーの違い。
ちょっと気になったのでまとめてみまたら、色々発見がありました。
目次
エコレザーとフェイクレザーとリアルレザーの違い
まず私が勘違いしてたのですが、エコレザーとフェイクレザーの違いについて。
エコレザーってフェイクレザーを今の風潮に言い換えただけで、同じだと思ってたんですよね。
でも、今回ブログを書くのに調べてみると、全然違うことが判明!
それぞれの違いについて書いてみますね。
【リアルレザー】
いわゆる本革です。
牛・豚・羊・鹿・ヤギなどなど。
私が購入したリアルレザーのベレーは牛革です。
【フェイクレザー】
合成皮革のこと。
基布の上に合成樹脂を塗り重ねて天然皮革に似せたもののことのようで、ポリウレタン樹脂を使用したPUレザーと、塩化ビニル樹脂を使用したPVCレザーの2種類があるとのこと。(FASHIONSNAPサイトより)
タグでは合成皮革のほかに人工皮革って書かれてることもあります。
※厳密には、合成皮革と人工皮革も違うらしいがここでは割愛。
【エコレザー】
リアルレザーのなめし工程で出る革の切れ端を細かくし、天然素材や樹脂と混ぜたもののこと。
原料を無駄にしない環境に配慮された工場で製造され、加工の際に使用される物質が有害でないか、製造過程で出る廃棄物の処理や排水の管理がしっかりなされているかなど、いくつかの基準をクリアしなければなりません。
(FASHIONSNAPサイトより) とのこと。
こういったエコレザーはヨーロッパが先行していたけども、日本でも2006年に「NPO法人 日本皮革技術協会」と「一般社団法人 日本タンナーズ協会」により、「日本エコレザー基準(JES)」が制定されたようで、認定要件もしっかり定められてます。
・天然皮革であること。
・排水、廃棄物処理が適正に管理された工場で製造された革であること。
・臭気、化学物質(ホルムアルデヒド・重金属・PCP・禁止アゾ染料・発がん性染料の使用制限)および染色摩擦堅ろう度に関する一定の基準を満たしていること。
(日本エコレザー基準認定事業サイトより)
さらに、品質についても「皮膚断面繊維構造を損なわない革」に限られ、再利用においても革の機能を損なわないことが大前提とされています。
何だか難しいけども、とにかく厳しい基準をクリアした、人間にも地球にも優しいのがエコレザーらしい。
そんな厳しい基準があったなんて知りませんでした。
ちなみに、認定ラベルなるものもあります。
エコレザーとフェイクレザーとリアルレザーのメリット・デメリット
それぞれの違いについて書きましたが、それぞれにメリットデメリットもあります。
【リアルレザー】
メリット
・質感や色合い、艶など高級感がある
・使うほどになじみ、経年変化を楽しめる
・耐久性がある(メンテナンスによる)
デメリット
・水に弱い(シミや汚れつきやすい)
・カビが発生する場合もある
・お手入れが必要
【フェイクレザー】
メリット
・耐水性があり扱いやすい
・本革よりも安価なので気軽に使える
・柔らかいものが多く、加工しやすく使いやすい
デメリット
・表面が劣化しやすく長持ちしない。
※ポリウレタン樹脂を使用してることが多く、このポリウレタン樹脂が経年劣化が表面がボロボロに剥がれてくる原因。
・経年劣化を楽しめない。
・風合いはなく質感や色合いが均一なのでのっぺりした感じが否めない
【エコレザー】
メリット
・環境汚染の負荷が軽減されるなど、地球にも人体にも優しいため注目されている。
・本革よりもお手頃
・本革を使うので、本革同様に質感や色合いに味があり、経年変化を楽しめる。
デメリット
・本革が原料なので、水に弱くカビが発生することもある。
・本革同様、定期的なメンテナンスが必要
・フェイクレザーよりはやや高価
場合によっては、やっぱりリアルレザーがいいと思うワケ
こうやってメリットデメリットを比べてみても、やっぱりリアルレザーがいいなぁ、って思うんですよね。
理由は、「耐久性があり、経年変化を楽しめるところ」。
私の場合ですが、流行を追うというよりも気に入ったものを長く使い続けるタイプ。
すごく気に入ってると、経年変化を通り越してかなりみすぼらしくなるまで使い続けてる、なんてこともあるんですよねw
それはそれで、どうかと思いますが^^;
なので、気に入って購入したものがたった数年で劣化して着れなくなったりかぶれなくなったりなんてことがあると、かなりショックなわけなんです。
とはいえ、何でもかんでもリアルレザーがいいというワケでもなく、私の中で基準があります。
・流行に左右されないデザイン
・シンプルで合わせやすい
・ずっと使い続けると確信が持てるもの
リアルレザーはもちろん物にもよりますが、それなりにお手入れしていれば本当に長く使える。
祖母が使っていたバッグがあるんですが、今は私が使っています。
エコレザーもリアルレザー同様に耐久性があるなら、選択肢に入れていきたいな。
こうやって自分の中で基準を設けたり、大切に使うことで次に受け継いでいくことが、本当のエコに繋がるんじゃないかな、と思っています。
結局エコって何だろう?
リアルレザーも、多くは食肉用の牛さんや豚さんを解体した後、副産物として皮を使ってるんだそう。
加工されるまでの工程は海外で行ってることがほとんどらしく、その工程がどれだけ環境に負荷があるのか勉強不足だけども、少なくともいただいた命を無駄なく使おうとしているということは、リアルレザーが悪ではないとも思うんです。
なので、数年で劣化することがわかっている合成皮革が果たして地球にやさしいのか、というと、素人考えだけど疑わしい…。
色々な基準がクリアされたエコレザーも、元は本革の端切れ。
端切れができるということは、リアルレザーを使った何かを作ったからこそ。
ただ、まさかそんなことないよね、と思いたいのですが、せっかくのリアルレザーを裁断してエコレザーに作り替える、なんてことないよね?
食肉用の動物の皮を革製品として使うならば、命を無駄なくいただくということにおいては、リアルレザーの存在は決して悪いものではないんじゃないかな、とこのブログを書くにあたり色々調べて感じたことでした。
以上、レザーのあれこれについて書いてみました。
ふと感じたエコレザーとフェイクレザーの違いでしたが、色々と考えさせられます。
勉強不足なので、実態と違う部分もあるかと思いますが、一部分だけを見るだけじゃなくて流れ全体を見ることの必要性を感じました。
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